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ゲームのデータ分析は、他業種にどこまで移せるのか
移せるのは、記録を判断に直結させる設計と、1つの数字に1人の責任者を置く運用です。移せないのは、記録の細かさと試す速さです。他業種の事例を持ち込んで途中で止まる会社は、たいてい速さを前提にした部分をまねています。
ゲームのデータ分析を訳しながら考えたこと
当社の代表は、ゲームのデータ分析の本を2冊訳しています。訳しながら考えていたのは、ここに書かれている運用のうち、どこまでが他の業種でそのまま使えるのか、という問いでした。
移せるのは考え方と役割の置き方で、移せないのは記録の細かさと試す速さです。この線引きをしないまま形だけを持ち込むと、条件の違うところで同じ運用を回すことになり、たいてい途中で止まります。
記録を、判断に直結させる設計
まず、移せるものから挙げます。ゲームの運用では、どの画面で何秒止まったか、どこで途中でやめたかが、翌日の変更に直結します。記録することと、決めることが最初から結び付いています。
多くの会社では、この2つが切れています。記録は経理と情報システムが持ち、判断は経営会議が行い、両者は別のものを見ています。どの数字を見て何を決めるのかを先に書き、それに要る記録だけを残す。この順番を作り直す作業に、業種の壁はありません。
数字ごとに、責任者を1人置く
もう1つ移せるのは、責任者の置き方です。ゲームの運用では、遊び続けている人の割合や、お金を払った人の割合を数字で追います。その数字1つ1つに、責任を負う担当者が決まっています。数字が下がれば、誰が説明するかも決まっています。
これは中小企業でこそ効きます。人数が少ないぶん、数字と人を1対1で結び付けやすいからです。全員が全部を見る運用は、下がったときに誰が説明するかが決まらないため、結果として誰も見ていない運用になります。
記録の細かさの違い
ここからは、移せないものです。ゲームでは、利用者の操作が1件ずつ自動で記録されます。人が入力する場面がほとんどないので、細かい分析ができます。
飲食でも製造でも卸でも、記録の多くは人が入力します。入力の手間が増えれば、現場は記録そのものをやめます。ゲームと同じ細かさを求めると、分析を始める前に元の記録が途切れます。
結果が出るまでの速さの違い
移せないもののもう1つは、試す速さです。ゲームでは、案を2つ用意して同時に出し、数日で結果を見て、良かったほうを残せます。1週間に何度も試せます。
店舗や工場では、同じことができません。片方の店だけ値段を変えれば、客も従業員も気づきます。設備の配置を毎週変えるわけにもいきません。結果が出るまでに1か月から3か月かかります。だから中小企業では、試す回数ではなく、1回の試行の設計で勝負します。何を変え、何を変えないかを先に決めておかないと、結果が出ても原因が分かりません。
他業種の事例をまねた会社で起きること
他業種の事例を持ち込んで途中で止まる会社は、たいてい速さを前提にした部分をまねています。細かく記録し、たくさん試し、素早く直す。この形は、記録が自動で、試行が安いという条件があって初めて成立します。
条件の違うところに形だけを持ち込むと、記録の入力に時間を取られ、試した結果も読めないまま半年が過ぎます。そこで出てくるのが、うちには合わなかった、という総括です。合っていなかったのは考え方ではなく、記録と試行の条件のほうです。
当社の場合。人が入力しても続く量に抑えます
データ基盤構築では、まず毎週の会議で決めることを書き出し、それに要る数字だけを残します。記録は、人が入力しても続く量に抑えます。表計算ソフトと無料の集計ソフトで足りるなら、追加の費用はかかりません。
数え方と画面の設計は当社が文書でお渡しし、画面の作成と試用は顧問先にお願いします。月額5万円(税別)からです。
よくあるご質問
- ゲーム業界のやり方は、中小企業でも使えますか
- 考え方と役割の置き方は使えます。どの数字を見て何を決めるかを先に書き、それに要る記録だけを残す。数字ごとに責任者を1人置く。この2つに業種の壁はありません。
- 何が移せませんか
- 記録の細かさと、試す速さです。ゲームでは操作が自動で記録され、案を2つ同時に出して数日で結果が見られます。人が入力する現場と、結果が出るまで1か月から3か月かかる現場では、同じ形は成立しません。
- では中小企業は、何で勝負すればよいですか
- 試す回数ではなく、1回の試行の設計です。何を変え、何を変えないかを先に決めておかないと、結果が出ても原因が分かりません。
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